念視の泉詳解
47日目
ドミニオンアドベント(?)カレンダー2023の47日目。何か書いてくれる方は下のスプレッドシートに記入お願いします。
詳解7
この記事で評価が変わったカードの紹介だけしたけどせっかくならもう少しちゃんと解説すればいいじゃんと気づいたので始まった詳解シリーズ。7日目は念視の泉。
ドミニオンで一番引けるカード
念視の泉が1枚あればデッキを引ききれます。だって引ききりデッキってアクションカードしかないじゃん。多少の不純物があったとしても、念視の泉数枚であらかた引いて、補助に研究所でも鍛冶屋でもちょろっと入れるだけで簡単に引ききれます。念視の泉のドロー力はそれほどのものです。
見誤ったポイント
ここで、僕が初心者だったころに念視の泉がどう見えていたかをまとめます。
強いところ
- いっぱい引けるかもしれない
弱いところ
- 相当運がよくないとすぐ止まる
圧縮を知らず、毎ターン複数枚の獲得をできるような構築もできなかったのでアクション比率が高まらず、大量ドローできませんでした。当然、念視の泉を集めることもできませんでした。
念視の泉評
現在の念視の泉評はこんな感じです。
強いところ
- ドロー力がピカイチ
弱いところ
- 始動が遅め
- コストが高い
とにかくドロー力が優れています。アタックはおまけです。しかし、そのドロー力を存分に発揮するにはある程度アクション比率を高めねばならないこと、ポーションをコストに含むことから、普通のドローよりも引けるようになるのがやや遅いです。鍛冶屋なら初手で購入してデッキ2周目から3ドローできますが、念視の泉はデッキ2周目でようやく購入でき、3周目でようやく使えますが、3ドローできるかどうか怪しいところがあります。
ポーションコスト共通の弱点ですが、初手でとれないこと、デッキ1周で1枚しか購入できない*1ことから、そもそもプレイできるのが遅いというものがあります。それに加えて1金1ポや錬金術師がほしいのに2金1ポなど、金とポーションのかみ合いが悪い場合もあり、特に序盤は思うように集めることすら難しいことがあります。念視の泉も当然その弱点を抱えています。
念視の泉はアクションであればなんでも引けるカードで、その枚数に上限がありません。このため、通常はドローと呼べないキャントリップもドローとして数えることができます。
鍛冶屋でドローするデッキの場合、キャントリップがあるとその分だけ鍛冶屋は深くまで掘れません。掘れる枚数が3枚と決まっているからです。しかし、キャントリップは自身が止めてしまった分を掘り直せるので結局のところ±0です。キャントリップはドローではありません。
念視の泉でドローする場合、キャントリップがあろうとなかろうと同じカードまで掘り進めます。そして、念視の泉で引いたキャントリップは、念視の泉が止まったその先を掘ることができます。もしキャントリップがなければ、この止まったところで終わっていました。キャントリップのおかげでより深くまで掘れており、キャントリップはドローであるといえます。
このように、キャントリップですらドローになる念視の泉デッキですが、なんと念視の泉自身がキャントリップを備えています。念視の泉は、集めれば集めるほど強いカードです。多く集まればそれだけ個々のドロー力が高まりますし、最初の5枚に引ける可能性も高くなります。
使い方
初期デッキは大敵です。これがあるとないとでは念視のドロー力が格段に違います。圧縮しましょう。同時に、少しでも多くのアクションカード(特にキャントリ以上)を集めること、念視の泉を一刻も早く1枚でも多く獲得すること、を目指します。工房系を使うのも大事ですが、念視の泉購入にかかる金量は小さいため、1購入ではお金を無駄にしがちです。購入権を増やすことで、無駄なくアクション枚数を増やすことができます。また、ポーションコストの弱点を小さくできるギミックがあれば活用しましょう。従者や巡礼、取り替え子などがあれば、ポーションを引いていないターンでも念視の泉を獲得できます。
念視の泉自体はただ引いているだけであり、カードの獲得能力がありません。引いた後で何をしたいのか考えましょう。ふつうのコンボデッキのドローソースとしても使ってもよいですが、保管庫や秘密の部屋があれば、これらで捨てた大量のアクションカードを念視の泉1枚で全部引き直し、また全部捨てて……という手順で簡単に大きな金量を出せます。ぜひやってみましょう。
念視の泉のアタックはかなり難しいものです。単純に考えると、強いカードが公開されれば捨ててしまえばよいだけですが、たとえば、共同墓地は強いカードでしょうか。アクション権がほかに増えない場なら捨てて正解ですが、もしほかに村があるなら、共同墓地の価値は非常に小さくなります。捨てようが捨てまいが相手の念視の泉のドローに直接は関係しませんが、共同墓地の下のカードによっては影響が出ます。
相手の山札が、上から共同墓地・念視の泉……だった場合、共同墓地を捨てても捨てなくても相手のドローは変わりません。しかし、共同墓地・銅貨・念視の泉……だった場合、共同墓地を捨ててしまうと、相手は念視の泉で銅貨を捨ててからドローを始めます。共同墓地を捨てていなければ共同墓地と銅貨だけで終わっていたことを考えると、共同墓地を捨てるのが利敵行為になっています。ときとして、アクションカードであろうと捨てることが大きな利敵行為になることを覚えてください。
さて、自分が念視の泉をプレイして相手の共同墓地が公開されたとき、自分の手札にまだ念視の泉が1枚残っていたらどうでしょう。相手の山札が共同墓地・念視の泉……だった場合、共同墓地を捨てることで、手札の念視の泉をプレイしたときに相手の念視の泉を落とせます。ならば捨てればいいじゃん……とはならないのが難しいポイントです。共同墓地・銅貨・念視の泉……だった場合、やはり共同墓地を捨てることが利敵行為になってしまいます。
さぁ困りました。相手のデッキの並び順や自分の念視の泉の残弾数によって、捨てるべきか捨てぬべきか変わってしまいます。当然、相手の山札の順番なんてものはわからないので最適な選択をするには運が必要ですが、工夫の余地もあります。相手のデッキをカウンティングすることで、山札にどれだけ捨てたい/捨てたくないカードがあるかがわかります。相手の山札が強く、捨て札が弱いならガンガン捨てればよいですし、山札が弱いなら微妙なアクションは残して少しでも相手の回転を止めたほうがよいでしょう。極端な話、相手の山札が共同墓地と宝石だけならその共同墓地は捨てるべきではないでしょう*2。まぁ、そんなちっぽけな工夫なんて無視して引ききれちゃうのが念視の泉なんですけどね。