41日目
ドミニオンアドベント(?)カレンダー2023の41日目。何か書いてくれる方は下のスプレッドシートに記入お願いします。
詳解1
この記事で評価が変わったカードの紹介だけしたけどせっかくならもう少しちゃんと解説すればいいじゃんと気づいたので今日から詳解シリーズが始まります。最初は礼拝堂。
元祖圧縮
基本セットは基本だけあってドロー・アクション・購入・コイン・アタック・圧縮のシンプルなカードがそれぞれ収録されています。礼拝堂は圧縮担当です。金貸しと違って追加効果がないので、圧縮というものを知らなければ使いどころがイマイチわかりません。
見誤ったポイント
ここで、僕が初心者だったころに礼拝堂がどう見えていたかをまとめます。
強いところ(初心者当時)
- 呪いを廃棄できる
弱いところ(初心者当時)
- 廃棄以外何もしない
- 廃棄したら何も購入できない
- 銅貨でも金量の足しになるのに廃棄するのはもったいない
あ、ありがち~! ちなみに、金貸しは「3金出してくれるけど銅貨を廃棄しなければならないというデメリットがある」に見えていました。今の金貸しの認識は「3金出してくれるうえに銅貨を圧縮してくれる(差し引き2金しか出していないことに注意)」です。
礼拝堂の役割を「いらないカードをデッキから取り除く」と認識している点では正しかったのですが、以下の点で判断を誤りました。
- 回転力やデッキの濃度に考えが至らなかった
- 「いらないカード」を「益のないカード」といいかえていた
まず、回転力や手札の濃度についてはよく目にタコができるほど記事が書かれていると思われる内容です。
初期デッキ10枚+礼拝堂1枚+金貨4枚のデッキでは、3ターンで4枚の金貨しか使えず、しかも8金が出ないこともあります。
対して、ここから初期デッキを全部廃棄した礼拝堂1枚+金貨4枚のデッキでは、購入したカードによって金貨が沈む場合でも3ターンでのべ9枚以上の金貨を使え、2ターンは8金が確定します。3ターンとも8金が出ることもあるでしょう。この、金貨のプレイ回数が回転力、出る金量が濃度です。
上の例では一度デッキに入ったカードを少ないターン数で多く使えることを回転力の高いデッキの強さとして紹介しましたが、獲得してから使うまでのラグが小さくなることも回転力を上げるメリットです。
また、銅貨などで薄まったデッキでは金貨どうしをそろえにくく、民兵を受けたときに高コストカードを購入しにくくなります。しかし、金貨ばかりの濃いデッキなら、手札に金貨を複数枚持ちやすく、民兵を受けても属州を購入できる可能性が高まります。濃度を高めることはハンデス対策にもなるのです。この金貨のセットを村鍛冶セットと読み替えてもかまいません。
2つ目について、「いらないカード」と「益のないカード」は異なります。呪いはあっても役に立つことがありません*1が、銅貨や屋敷は1金出たり1点になったりするので一応役に立っています。呪いも銅貨も屋敷も「いらないカード」ですが、呪いは「益のないカード」であり、銅貨や屋敷は「益の小さいカード」です。
圧縮するときにいわれる廃棄すべき「いらないカード」とは、「益のないカード」ではなく「益の小さいカード」のことです。圧縮によって得られる利益より小さなはたらきしかしないカードなら、たとえ多少役にたとうとも圧縮すべきであり、使えるかどうかは問題ではありません。「呪いを廃棄できる」という礼拝堂への評価は、この点で不当であるといえます。呪いはもちろん、銅貨も屋敷も圧縮すべきであり、なんでも、しかも4枚もまとめて廃棄できる礼拝堂は基本環境で他を寄せつけない高圧縮カードです。圧縮力では金貸しなんてお話になりません。ただ、金貸しと違って廃棄ターンに何かを購入することは難しく、一瞬のうちに銅貨が消え去るので、銀貨や工房など、圧縮後の獲得に貢献するカードを意識的に獲得しておかないと銅貨を買い直すハメになります。そんなアホなことはないのでよく注意しましょう。
礼拝堂評
現在の礼拝堂評はこんな感じです。
強いところ
- 圧縮量が多い
- なんでも圧縮できる
弱いところ
- 圧縮ターンは購入が難しい
- キャントリ以外のアクションを相方にしづらい
圧縮力が強いため、回転力や濃度を高めるのが早いのが特長です。ただ、現在の全拡張環境だと圧縮そこそこでもデッキを回せてしまったり、とりあえず1回高コストに届かせたほうが強いかったりすることがままあるため、基本環境より強さが落ちています。
礼拝堂の特長は高い圧縮能力ですが、初手の相方と一緒に引いてしまうとそれが損なわれることがあります。キャントリップならよいですが、そうでなければ相方以外の3枚しか廃棄できません。せっかく4枚も廃棄できるのに、その強みが陰ります。鍛冶屋で礼拝堂を引きましたなんて目も当てられません。
使い方
シンプルに初手でとってガンガン圧縮するだけです。簡単ですね。
銅貨を廃棄するときは、その後カードの獲得ができなくならないか、総金量には気をつけましょう。また、次のターンに何金出るかも考えておくとよいです。
たとえば、3ターン目礼銅銅銅屋なら次のターンに少なくとも3金が出ます。3金出れば銀貨でも工房でも購入できるので、その後の獲得は問題なさそうです。よって、3ターン目の銅貨3枚は全部廃棄するのがよいです。ここでもったいながって屋敷だけ廃棄するのは「いらないカード」を読み違えているか、次ターンを読めていないかのどちらかです。廃棄しましょう。
初手の相方にも気を遣ってやりましょう。よく強い初手として密猟者ー礼拝堂が挙げられます。これは、密猟者がキャントリップなので礼拝堂の強みを阻害しないということ、1ドローするため礼拝堂の底率が下がること、わずかとはいえ金量出力があるため圧縮後の不安が減少することの3つがが強い点です。これをわかっていれば、密猟者がないサプライでも強い初手が見えてきます。なお、数ある礼拝堂を含む初手の中で密猟者が挙げられるのは、実際に有用であり、かつ3-4でも2-5でも実現でき、かつどちらも基本セットにあるからであって、最強だからというわけではありません。
たとえば、相方に研究所はどうでしょう。金量出力こそありませんが、2枚引くので研究所さえ引けばデッキ2周目で礼拝堂が底りません。また、より多くの屋敷を廃棄できる確率が高まります。屋敷も銅貨も「いらないカード」ですが、等しくいらないわけではありません。屋敷は0金出力ですが、銅貨は1金出します。後々銅貨も圧縮するとはいえ、どちらかといえば屋敷を優先して圧縮したいです。同じことが乗馬や追従者でもできます。
たとえば、軍用金はどうでしょう。圧縮力が陰る可能性はありますが、非常に強力な獲得能力を持っているので総金量をあまり気にせずガンガン圧縮できます。工房と違って礼拝堂をプレイしつつ獲得ができるのは使いやすいところです。もちろん、ほしいカードが複数種類ある前提であること、ゆくゆくはきちんと5金を出せるように構築することを忘れてはなりません。
*1:極まれに1金出たり1点になったりしますが基本的には呪いはマイナスでしかありません。