ネズミと捕獲者

概要：鼠取りって圧縮の中でかなり特殊だよね。
テーマ：カード効果の理解

　なんかボカロ感があって僕好み。

真っ白なキャンバス / 共に描く （Music Video）

　負けた数だけ記事書く配信Part4の記事3/3本目。

　低コストキャントリ圧縮の鼠取り。冒険の新要素呑んだくれを搭載した特殊なカードです。序盤において狙い撃ち，中盤以降は酒場で隠居してくれる素敵なおじさまです。ちなみに，実際にネズミを捕っても強くありません。

ネズミの捕獲者、逃げる

　鼠捕りは誰でも初手で購入できる*1コスト2のカードで，デッキが弱いほど機能しやすい圧縮カードです。……いや圧縮カードなんだから圧縮された強力デッキではたらかないのは当然なんだけどその前から弱くなり始めるというね。

　多くの圧縮カードは手札からプレイしたときに手札から廃棄します。そのため，効率的に圧縮するためにはデッキ内の弱いカードの比率が高い最序盤にプレイするか，圧縮カードと圧縮対象を手札に揃えられるように大量にドローするのが有効です。たとえば過剰引ききりデッキであれば，直前の相手のターンに数枚呪いを撒かれたところですぐに手札に引いてきて廃棄することが可能です。ドローができないデッキではこうはいきません。
　ところが，鼠取りは引ききりデッキを作り上げてからは有効に機能しません。鼠取りはプレイすると酒場マットへ移動し，ターン開始時に呼び出すことで圧縮します。つまり，鼠取りプレイ時に手札があろうと関係なく，ターン開始時の5枚が重要になります。
　鼠取りは酒場マットで何ターンでも待機できる根性の持ち主なので，序盤に屋敷が手札にくるまで圧縮を待ち，確実に緑を消し去ってくれます。これは圧縮カードとして誇れる能力です。どこかの衛兵も見習ってほしいものですね。しかし，デッキが強化されるにつれてデッキの回転が早まります。するとどうなるかというと，クリーンアップフェイズ以外に廃棄したいカードを引きます。つまり，鼠取りの確実性という強みが削がれるのです。これが，デッキが弱いほど機能しやすい理由です。

　確実性が削がれるなら確実性を足せばよいのです。鼠取りはクリーンアップフェイズに引いた5枚に廃棄したいカードがくるかどうかの運否天賦カードではありますが，シャッフルタイミングの調整や船着き場などの持続ドローによってその本領発揮を手助けできます。5枚には含まれなくても7枚に含まれていればよいもんね。

鼠取りの夢

　鼠取りがリザーブカードであることで，確実性のほかにも利点を得ました。自身の圧縮です。礼拝堂を始めとして，ほかの多くの圧縮カードの欠点に圧縮後は自信が呪いであるというものがありますが，鼠取りによる圧縮が済んだ後はもう酒場で呑んだくれてもらえばよいのです。
　ちなみに，鼠取りはプレイ時の効果がキャントリップであるため，デッキ内に残っていても邪魔じゃないように思えるかもしれません。しかし，ハンデス場では価値の低いカードは判断のノイズになります*2し，伝令官などで引き当てたときの価値がとても低い*3です。

*1:呪われた金貨？　知らない子ですね……。

*2:村村鍛冶屋鍛冶屋鼠取りからどの3枚を残すかというとき，鼠取りがなければ村村村鍛鍛だったかもしれません。次の1枚が村なら鍛冶屋2枚残しでよいのです。

*3:2020/8/2 12:21追記：伝令官が弱いのは，アクション以外やプレイする必要のないアクションに当たる場合であり，鼠取りのもとへ駆けつけるのはメリットしかないという意見をいただきました。その通りです。しかし，もっとバリューの高いアクションもあるはずです。鼠取りを圧縮した結果外れ率が高まるのでは本末転倒なので，自身圧縮が伝令官を強くするという本文はデッキ内容によりすぎ，言葉足らずなうえに限定的な話でした。