ステロゴリラがドミニオンするよ

ドミニオンのために開設したけど多分気が向いたときにドミニオンに限らず適当なこと垂れ流します

バンディット・ワールド

概要:山賊は呪いを獲得する呪いだけど山賊が獲得する呪いは高価なんだというお話
テーマ:カード効果の理解

 背景に注目してほしいんだ。


時ノ雨、最終戦争 / feat.IA

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 負けた数だけ記事書く配信の記事1/4本目。

 山賊は相手の財宝を破壊しますが,自身が金貨獲得装置であるため,アタックが刺さることはあまりありません。金貨獲得装置である山賊には,金量の出力とコスト6のカードの獲得という強力な効果が備わっています。しかし,実際に使ってみると弱く感じませんか。本記事では強いことが書いてあるはずなのに弱い山賊を解剖します。

Deceleration;減速

 ドミニオンにおいて重要なのは一にも二にも回転力です。よりデッキを回転させ,強力なカードを使い倒したり,1ターンにより多くのカードを使ったりすることでより大きな出力を得られ,デッキが急速に成長します。
 しかし,山賊というカードは自身がアクション権を食いつぶすだけでなく,さらにプレイしたときには出力につながらず,獲得した金貨を引いてこなければデッキ強化に貢献したとはいえません。自身がアクション権を消費するのにその後にアクションをプレイする必要があるとはこれいかに。さらに,金貨で出力を上げても自身が0金出力のいわば呪いであるため,ステロで用いてもイマイチ金量増強の恩恵を受けられません。
 また,山賊で獲得する金貨自体もデッキの回転に貢献しないどころか阻害するものであり,コンボデッキにおいては邪魔なカードです。自身は通常であればなんの勝利点にもならないにも関わらず邪魔だけする,そんなゴミカードです。呪い同然です。自身だけでなくその出力増強手段ですらデッキの回転を阻害する山賊は,単純に使っても弱いといえます。

Remodel;改築

 金貨を金量としてみるのなら,何もわざわざ山賊を経由する必要はありません。貴重なアクション権がもったいないです。もちろん,山賊を購入する1手で金貨を何枚も獲得できるのなら,金貨をその数だけ購入するよりも手数を圧縮しているといえます。しかし,16金を目指すような大型のコンボですら金貨は補助的なものであることが多く,多くの枚数を必要としません。せいぜい2枚程度の金貨を獲得した後は山賊をプレイする理由がなくなります。
 ここで思い出してください。金貨にはもう1つの側面がありました。消えてもさほど痛くないコスト6のカードです。山賊が収録されている基本セットには,コスト6のカードをドミニオン界一うまく利用できるカードがあります。改築です。改築(やそれの派生カード)があるサプライにおいては,山賊は6コスト供給装置として輝きます。山賊で獲得した金貨を即属州へ改築するプレイは強力です。

Shortening;短縮

 金貨改築が強力なのは,デッキ完成までのターン数を大幅に短縮できるからです。8金+金貨改築デッキと16金デッキでは,前者のほうが完成が早いのは明らかです。8金に加えて必要なパーツが金貨1枚,つまり山賊1枚と8金との比較ですからね。金貨改築デッキは構築パーツが少ないだけでなく,デッキ回転に寄与しないゴミが少ないという点でも優れています。
 金貨改築には改築も必要じゃないかという声が聞こえそうですが,改築は引ききりデッキ構築において自然に入ることが多く,金貨改築のために手数を使ったとはいえません。ドロー手段についても,金金銀の3枚(かそれに準ずる何か)を引くより山金の2枚を引くほうが楽なのは言うまでもありません。

Prediction;予測

 あまりデッキができあがっていない状態で,呪いを獲得する呪いである山賊を購入するのは自殺行為ですが,かといって遅すぎると金貨改築のもつ速度という武器が鈍ります。デッキの2周3周先を想像し,必要金量を確保したターンと改築するもの(金貸しのような使い終わったアクションや屋敷など)がなくなるターンが重なるタイミングで山賊を入れると,改築を無駄なく使え,かつスムーズに勝利点行動に移れます(……とはいっても金量出力を金貨に頼っていると相手の山賊で計画が狂うわけですが)。
 デッキの想像というのはどんなデッキを組む場合にも重要なことですが,特に山賊のような複数の役割を持つカードはいつその役割を切り替えるかによってパワーが大きく変わります。いつも以上に気を遣うとよいでしょう(それを怠って負けたがゆえにこの記事を書くハメになった人並感想)。