通え - ステロゴリラがドミニオンするよ

140日目

　ドミニオンアドベント（？）カレンダー2023の140日目。サムネはここにあるよ。何か書いてくれる方は下のスプレッドシートに記入お願いします。スプレッドシートは過去記事のリンク集も兼ねているので過去記事もよろしくね。

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よき領主たるもの

　遠隔地に通いましょう。都市だけでなく地方の状況を理解し、また、より広範のひとびとに知ってもらうことは強大な国家建立に欠かせません。なんてフレーバーに沿った書き方をしようとしたら属州だって本国でない領地なわけで遠隔地のひとつではないかという疑問が頭をよぎりました。

4人戦だとやや使いにくい

　遠隔地は少し変わった勝利点カードで、獲得しただけでは勝利点が増えません。ゲーム終了直前の公領ラッシュのつもりで獲得しても1点の足しにもならず、勝ちにつながりません。公領タイミングのさらにデッキ1周以上早く遠隔地にタッチする必要があります。しかも、勝利点を得るためにはアクション権が必要です。このワンテンポ、このひと手間ゆえに属州が高速で枯れる4人戦では扱いづらい印象を受けます。ただし、技術革新のような即打ちギミックがあったり、輸入者などで獲得してそのターン中にプレイできたりすれば問題の大部分は解消されます。

2人戦では無視するな

　遅いこと、アクション権が足りないことが問題であるならば、2人戦なら問題がないことになります。自分が属州を獲得しなければ早期に属枯れでゲームが終了することはそうそうありませんし、村だって4人戦の2倍の枚数を確保できます。問題が解消された遠隔地はとても強く、無視して勝とうとするのは無理筋であることが多いでしょう。

　問題が解消された遠隔地は公領と比較するのが間抜けなくらい強いカードです。デッキを汚さないことと、4点をもっていることが優秀です。
　遠隔地は獲得直後の一瞬だけデッキを汚しますが、プレイしてしまえば酒場マットに置かれ続けます。何ターン遠隔地を取り続けようとも、デッキの状態をキープできるのです。これがいかに強いことかは、追放システムを経験したドミニオンプレイヤーなら説明されずともわかることでしょう。デッキを汚さずに手札1枚1アクションで毎ターン4点ですよ。金貨を割る司教なんて手札を2枚消費して4点なのに。
　さて、遠隔地の真に強力なことは4点をもっていることです。公領と比較するのが間抜けなくらい強いカードといいましたが、同じ5コスト勝利点ということで比較する間抜けになってみましょう。デッキの汚染については先のとおり遠隔地が圧倒的に優れています。それでも、遠隔地が1点しか稼げないなら紙くずです。が、現実はそうではありません。なんと公領を上回る4点をもっています。そして、この3点と4点という差はたった1点ですが、たった1点というには重い差です。

属州をまくれるか

　属州ゲーにおいて勝利点の補助として公領を獲得することはよくあります。よくありますが、公領で属州差をまくろうと思うとかなり苦しいことが多いです。というのも、まくるためには相手の属州1に対してこちらは公公屋以上を求められるからです。公領2枚だけでは並ぶだけで逆転できず、8金1購入に勝つために12金3購入を求められます。属州3-5なら公公公公屋の22金5購入です。1.5倍の金量と倍以上の購入権を消費して、しかもゴミを倍以上*1抱えてようやく属州差をまくれるのです。これは苦しい戦いです。
　翻って遠隔地はどうでしょう。遠隔地なら2枚で8点。属州1枚を越えます。3点と4点の差は、2枚で属州1枚を超えるか超えないかというあまりにも大きな差だったのです。しかも属州はゴミ1枚ですが、遠隔地はゴミ0枚です。

　現実には、属州よりも早く遠隔地に触ることになります。そのため、感覚としては遠隔地で属州をまくるというより、遠隔地に属州で追いつくというものになりそうです。が、遠隔地をとらずに属州だけで追いつくのは無謀です。遠隔地8枚で32点。デッキを汚さずして属州5枚分以上の勝利点をもっているからです。属州を7-1してやっと勝てる差ですが、デッキのきれいさを鑑みれば7-1が夢物語であることは明らかでしょう。