ステロゴリラがドミニオンするよ

ドミニオンのために開設したけど多分気が向いたときにドミニオンに限らず適当なこと垂れ流します

追放カード賞金☆稼ぎ

対象:全ドミニオンプレイヤー……新拡張だし知見ほs(ry
テーマ:カード効果の理解

 僕はやっぱり昔のGuianoのほうが好きなんだ。


Guiano - 生きる証 (feat.IA)

 能動的な追放が島を内包しており,そこに追加効果を持っているものだから初手購入で強いことは前回述べました。今回はそんな追放3種の神器から賞金稼ぎを,似たカードである金貸し・男爵と比較してみます。今回は金貸し編。

さっきも追放した、ような……

f:id:kpdm:20200617214851p:plain  賞金稼ぎは手札を1枚追放し,同名のカードがそれ以前に追放されていなければ3金を得るカードです*1。1枚圧縮して+3金。金貸しと非常によく似ています。両者の違いは,初期デッキを餌としてお金を出せる回数・デッキ2周目の到達金量・アクション権の消費量にあります。

 賞金稼ぎは通常の初期デッキを餌とした場合には屋敷と銅貨1回ずつの合計2回しか+3金を得られません*2。対して金貸しは7回も得られます。これだけだと,金貸しが圧倒的に優れているように思えますが,実際に両者を使ってみるとなんとなく金貸しのほうがお金が出ていない気がしませんか?

それはとってもお金持ちだなって

 初手賞金稼ぎー銀貨と金貸しー銀貨のデッキ2周目における金量を見てみましょう。次表は3ターン目もしくは4ターン目に1回でもそれぞれの金量が出る確率を示しています*3

  5金以上 6金以上 7金以上
賞金稼ぎー銀貨 94.9% 73.0% 24.7%
金貸しー銀貨 91.2% 42.4% 8.8%

 5金を1回だけ目指すなら大差ありませんが,目標金額が高くなれば高くなるほど賞金稼ぎガン有利となります。もし祭壇があるなら……もし相続があるなら……そんなときは金貸しより賞金稼ぎのほうが明らかによいですね。
 特に相続と賞金稼ぎは相性がよく,通常であれば屋敷圧縮なしに7金を出すのは至難の業ですが,賞金稼ぎであれば2周目にいきなり7金を狙えるだけでなく,屋敷の圧縮が実質的に圧縮でないことがよくかみ合っています。7金を出すために屋敷を追放したとしても,相続環境であれば屋敷をすぐに獲得してもおかしくなく,その際に解放することができます。
 4金以下に価値がないサプライでも賞金稼ぎは輝きます。上記の初手から3ターン目と4ターン目の両方で5金以上が出る確率は,金貸しが14.9%であるのに対して賞金稼ぎが27.3%と倍近い確率を誇ります。デッキ3周目はまだ賞金稼ぎの+3金を見込めるため,序盤にとにかく5金を連打したい際にもやはり賞金稼ぎがよさそうです。
 高コストカードへのアクセスがよいのは,賞金稼ぎは圧縮対象に屋敷を選べるからです。金貸しは銅貨を廃棄するため,実質的には+2金でしかありません。しかし,賞金稼ぎが屋敷を追放した場合,そもそも屋敷の金量出力は0であるため純粋に+3金を生んでいます。また,屋敷を圧縮したことによって3周目の出力向上が若干ながら見込めることも見逃せません(もちろん4周目以降は賞金稼ぎが金量出力しないわけですが)。
 ゲーム終盤になれば属州や公領を追放して+3金を得ることができるため金量出力が一時的に回復しますし,その後も勝利点カードを追放し続けることで金量出力こそありませんがデッキが汚れるのを防げます。

もう事故も怖くない

 3コストに貨物船のような強力なターミナルアクションがある場合も,金貸しより賞金稼ぎを優先すべきでしょう。デッキ2周目でアクション事故を起こした場合,初手で何も購入していないどころか呪いを購入したも同然です。拡大再生産の頭で躓くことは極力避けるべきです。それでもリターンが大きければターミナルーターミナルの初手で入ることもありますが,金貸しと賞金稼ぎの比較ならば初動においては差がないどころかおおむね賞金稼ぎが優れており,金貸しを優先する意義はありません。

賞金稼ぎも、金貸しも、あるんだよ

 金貸しが賞金稼ぎに勝るのは金量出力の回数です。賞金稼ぎのような瞬間的なパワーこそないものの,7回もの回数に渡って圧縮しながら金量を生むというのは偉大です。
 また,屋敷を圧縮する必要性が薄い場(羊飼いや輪作,工房系がある場合の岐路*4など)や,別の手段で屋敷を圧縮したほうが強い場(改築*5や放逐/Banishなど)では銅貨の圧縮に専念すればよいため,金貸しのほうが優秀でしょう。
 最序盤および最終盤においては瞬発力やデッキ整理能力の差で賞金稼ぎに軍配が上がります。対して中盤までの継続的な圧縮+金量出力ができるというのが金貸しの強みです。どちらか一方だけを用いるのではなく,両方がサプライに並んでいるのなら賞金稼ぎで瞬間金量を出したのちに銅貨を金貸しで切る,というような運用もあるでしょう。それぞれのカードの強みを理解することが重要です。

*1:カードテキストだと正確な表現ではありません。詳しくは#ドミニオン 最弱カード。賞金稼ぎ|うりはり|note を参照してください。HJは悪くなく原語版から悪表現です。

*2:途中で屋敷や銅貨を獲得して追放マットから捨てれば回数のかさ増しはできますが,圧縮の意義を失っているのでやることはないでしょう。通常の初期デッキではなく避難所場や家宝場であれば賞金稼ぎはさらに強くなります。

*3:20/6/18 数値に誤りがあったので修正しました。参考:ドミニオン、山札2週目の確率Re: ドミニオン、山札2週目の確率

*4:通常岐路ドローのために銅貨から優先するのは購入がしょぼくなるためあまり強くありませんが,工房系カードにより強力なカードを獲得できるのならデッキを回転させるために銅貨を優先する意義があります。

*5:圧縮して高額カードを購入するのも重要ですが,獲得機会を増やすのも重要です。特に購入権が増えない場ならば改築による獲得数の差で勝負がつくこともあります。