Dominion Online Lv.50を目指す初心者のための虎の巻3巻目(総数未定)。ドミニオンで勝つためのコツというか,多くのサプライで通用する戦術・思考方法について解説します。今回はゲーム中に目標を設定してみましょう。
目標をもつ
ドミニオンにおいて,そのターンそのターンで行き当たりばったりにカードを獲得するのは効率が悪く,デッキ内でカードの組み合わせがちぐはぐになり弱いです。ゲーム開始時に,どのカードを使いたいのか,そのカードをどのように獲得するのか,ということを考えてみましょう。このとき,デッキの最終形をイメージできるとベストですが,初心者のうちはまだ難しいと思います。とりあえずはキーカードを1種設定し,それをデッキ2~3周目に獲得することを目指しましょう。また,それぞれのカードをなぜ獲得するのか,どのように役立つのかをイメージしてみましょう。
キーカードの獲得目標設定例
たとえば,以下のサプライで獲得するカードを考えてみましょう。
ここでは,基本セットの中で特に強いといわれる魔女を使うことを目指してみます。そこで,その魔女をどのように獲得するか考えます。
a.職人で獲得する
b.直接購入する
aの場合,職人の獲得手段を考えなければなりません。アクションカードで職人を獲得できるものはないので,財宝で購入するよりありません。職人のコストである6金を目指します。
bの場合,魔女のコストである5金を目指します。
さて,いずれの手段にせよ高額の金量を生み出さなければならないことがわかりました。ということは,初手で購入すべきカードは金量を生み出すカードです*1。間違っても前駆者なんて購入してはなりません。
金量出力できるカードは,密猟者・金貸し・家臣・(条件付きで)商人と,銀貨・銅貨です。ということで,この中から初手を考えましょう。魔女を使うという目標を立てず漫然と手札の3金に合わせて3コストの何かを購入するより,よい結果が得られるはずです。もちろん,この選択肢の中にも明らかな優劣はあります。その後のゲーム展開・デッキ内容を予想して,どれが強いのか考えてみましょう。考えるのが面倒なら試してみましょう。「新規卓」→「古い対戦を読み込む」→「対戦ID」に86348315をコピペ→「対戦を読み込む」→「AIを加える」→「決定」の7を1に変更→「対戦を読み込む」→「準備完了」と進むとこのサプライをBotと回せます。
方針の中間目標設定例
今度はかなり難しいことをします。デッキの最終形を想像し,それに適した初手を考えます。
下図のサプライで,商人を使って金量を大量に生み出すデッキを作ろうと思います。商人はキャントリップなので,銀貨とそろいさえすれば手札枚数もアクション権も消費せずに1金を生み出してくれます。リソースを消費していないので,天から1金降ってきたようなものです。
そのために,大量の商人を集め,それとそろえるための銀貨が必要です。よって,初手は商人ー銀貨としません。順を追って解説します。
まず,デッキの最終目標を考えます。必要なのは,大量の商人と1枚の銀貨,それに圧縮することです。商人は銀貨とそろって初めて役に立つカードです。商人をプレイして手札が銅銅銅銅屋では,何も生み出していません(1ドローしたように見えますが,そもそも商人がデッキに入っていなければ最初から引けていたカードを商人で引いただけなので,プラスになっていません)。商人と銀貨をそろえるためのアプローチとして,双方を大量に投入するということも考えられますが,やはりそろうかどうか運を天に任せなければなりません。一方,デッキを強圧縮して商人たくさん・銀貨1枚・礼拝堂1枚だけのデッキにしてしまえば,必ずそろいます。よって,銀貨大量投入ではなく,圧縮をすべきです。
では,最終目標が定まったところで,中間目標を立てます。最終形に必要な強圧縮をかけることを中間目標としましょう。その後,最終目標に向けて商人を集めます。
圧縮をするので,構築のどこかで礼拝堂を入れたいです。では,いつ入れるべきでしょうか。答えは初手です。序盤であればあるほど,初期デッキと圧縮カードがそろいやすいため効率的に圧縮ができます。構築のために入れた銀貨などのカードが圧縮という点ではノイズになるわけです。ということで,初手の1枚は礼拝堂です。
最後に,初手の相方を決めましょう。これについては数ターン先の予測という別の能力を必要としますが,結論をいえば商人です。これで最初の目標も決まりました。2ターン目までに礼拝堂と商人を1枚ずつ購入しましょう。礼拝堂の相方を商人にした理由について,詳しくは興味のある方だけどうぞ。
詳しくは展開
デッキに必要のないカードを購入するのは損なので,礼拝堂の相方は銀貨か商人ですが,ここでは商人にします。理由は3つあり,一つは銀貨の出力がまだ不要だから,一つが銀貨が圧縮のノイズだから,最後の一つが礼拝堂を沈ませたくないから,です。
さて,1つ目の銀貨の出力が不要であるということについてですが,今回のデッキで必要なパーツはコスト3の商人と銀貨です。つまり,運悪くデッキ2周目で礼銅銅銅銅を引いて銅貨4枚廃棄をすることになっても,パーツ購入するだけの金量がデッキ内に存在します。そのため,残り2つの理由を重視して銀貨より商人を優先します。
前述したように,圧縮する際,デッキを強くするために購入したカードはむしろノイズとなります。手札が礼銅銅銅屋だと礼拝堂で手札を4枚廃棄できますが,礼銀銅銅屋だと銅銅屋の3枚しか廃棄できません。ここで,この銀貨が商人であれば,商人を使用することで商人が占めていた手札枠を初期デッキに譲れます。銀貨ではなく商人なら,礼拝堂で4枚廃棄できるのです。
最後にして最重要な理由が,礼拝堂の底回避です。重要なことなので繰り返し述べますが,圧縮は早ければ早いほど強いです。もし礼拝堂が山札の下に沈んでしまって4ターン目までに使用できなければ,圧縮効率は落ちますし,そもそも礼拝堂を使用するチャンスが1回減ってしまうため圧縮速度も落ちます。端的にいえばよわよわの民です。この礼拝堂底沈みの悲劇ですが,相方が銀貨だと礼拝堂が山札の上から11枚目か12枚目にあると必ず発生します。しかし,商人なら礼拝堂が上から11枚目にあっても,商人が12枚目でなければ4ターン目に使用できるのです。銀貨と比較して,礼拝堂の底率を下げられます。
ということで,礼拝堂ー商人から商人マシマシ銀貨ピン挿しデッキを組みます。どこで銀貨を入れるのがよいのか試してみてください。それから,サプライをよく見ると市場がありますね。もしこれがデッキに入っていたら,購入権を活かして商人を1ターンに複数枚購入できると思いませんか……? 対戦番号86351706を読み込むとBot戦を回せます。読み込むときは決定欄の数字を1にするのを忘れずに。
*1:え? 初手5金? おめでとう。君は初手で魔女を購入すべきだ。