Dominion Online Lv.50を目指す初心者のための虎の巻4巻目(総数未定)。ドミニオンで勝つためのコツというか,多くのサプライで通用する戦術・思考方法について解説します。今回はゲーム中に未来を予測してみましょう。普段のドミニオンで,行き当たりばったりな構築をしていませんか。そのときの手札だけ考えて購入するカードを決めていませんか。それでは強くなれません。1ターン,いや3ターンくらい先を考えてみましょう。
1ターン先を見るその1
以下のサプライで1ターン目に3金を引きました。
相手は4金で民兵を購入しました。ここでいいなー自分も買いたかったなーと考えていませんか。落ち着いてください。初期デッキは10枚で7金なので,基本セット環境では1ターン目と2ターン目の金量を足すと7金になります。つまり,あなたも2ターン目に民兵を購入できます。
民兵を購入できることがわかった今,すべきことはより民兵と相性のよいカードを購入することです。たとえば,民兵を購入されたからといって次ターンの民兵購入を考えずに堀を購入すると,デッキ2周目に堀で民兵を引いてしまうかもしれません。そうするより,より確実に民兵をプレイし,また,5金で衛兵を購入しやすくするために銀貨のほうがよいかもしれません。1ターン目と2ターン目の購入はセットで考えましょう。
1ターン先を見るその2
衛兵を購入するために初手を銀貨ー銀貨としたところ,3ターン目に銀銀銅銅屋の6金を引きました。やった! 金貨だ! ……それ本当ですか?
さて,1ターン先を考えてみましょう。今,銀貨2枚・銅貨2枚・屋敷1枚を引いたので残りの山札は銅貨5枚・屋敷2枚です。この7枚から5枚を引いて5金が出ると思いますか。
えぇ,その確率は0ではありません。0ではありませんが,5%弱です。堀ー銀貨から4ターン目までに5金以上が1回も出ない確率くらい低いです。次のターンに衛兵を購入できないことが濃厚なので,このターンは金貨ではなく衛兵を購入します*1。
1ターン先を見るその3
鍛冶屋ステロをしようと思い,鍛冶屋ー銀貨から入った3ターン目に銅貨4枚と屋敷1枚を引きました。ここでは銀貨ではなく鍛冶屋を購入するのがよいという説があります。次のターンを考えてみましょう。
4ターン目には,鍛冶屋を含む残り山札7枚から5枚引いてくるので,5/7の確率で鍛冶屋をプレイできます。7割あれば挑戦してよいと孫正義も言っていたらしいので引けるものとしましょう。さて,この鍛冶屋をプレイしたときのことを考えます。残り2枚の山札から鍛冶屋で3枚引くわけですから,捨て札をシャッフルします。そして,その中から1枚だけ引くことになります。このときの捨て札内容は3ターン目の手札+購入したカードです。ここで,購入したカードを引く確率は1/6です。初手2-5もしくは5-2の確率と等しいですね。低い。ならばここで4ターン目に鍛冶屋をプレイしても事故らないことが期待できます。
そして事故らなかったとき,残りの山札は5枚で,その中に鍛冶屋があります。4ターン目に続いて,5ターン目にも鍛冶屋をプレイできるのです。なお,5ターン目に鍛冶屋をプレイした場合,山札0枚で捨て札が4ターン目の手札5枚+鍛冶屋で引いた3枚+購入した1枚の計9枚なので,やはり事故る確率は事故らない確率より高いです。そうしてさらに事故らなかったとき5/6の確率で6ターン目にも鍛冶屋をプレイできます。楽しいね。
え? 4ターン目に鍛冶屋を引けなかった? それは何をやってもダメなので諦めましょう。
3ターン先を見る
ゲーム中いつでも3ターン先を考えるのは難しすぎてハゲます。しかし,1ターン目開始時点で3ターン先,つまり4ターン目までを考えるのは非常に簡単です。サルでもできます。実際にやってみましょう。というか実は「1ターン先を見るその1」でもやっています。
さて,下図のサプライで1ターン目3金でした。
とりあえず3コストの家臣を購入して……ではダメです。4ターン目までを考えてみましょう。
まず2ターン目に何金出るか考えてみましょう。今3金なので4金出ますね。そこでもとりあえず4コストの鍛冶屋を……としてしまうと,デッキ2周目にターミナルアクションが2枚も入るわけです。しかも,そのうち1枚は3枚も引くカードです。事故濃厚です。これを避けるために,1ターン目の購入をする前に,デッキ2周目のデッキ内容と動きを想像し,2ターン目とあわせて購入するカードを選定しなければなりません。
たとえば,家臣を使うのであれば相方は+1アクションのついているカードか,ドローしないカードにするのがよいでしょう。相性の悪いカードしかないなら,1ターン目に家臣を購入するのは不正解である可能性が高いです。もし2ターン目に鍛冶屋を購入するのであれば,1ターン目に購入するのは銀貨がよいかもしれません。銀貨なら家臣と違ってデッキ2周目に鍛冶屋で引いても使えます。もしくは鍛冶屋で引ききるつもりがあるなら,4金で購入すべきは鍛冶屋ではなく,デッキ2周目で屋敷を廃棄しつつコンボパーツを集められる改築なのかもしれません。そのときはまた,デッキ2周目に改築をプレイすることを考えて相方を選びましょう。
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商人は銀貨とそろえば手札もアクション権も消費せずに1金生み出してくれます。そのくせ購入コストは3と安く,なかなかに侮れないカードです。では,以下のサプライでも商人を使うべきでしょうか。
結論からいえば,このサプライにおける商人は購入する価値がありません。
商人は銀貨とそろって初めて効果を発揮します。銀貨とそろわないデッキであれば購入する価値はありません。商人と銀貨をそろえる手段として,
・圧縮する
・商人や銀貨を増やす
というアプローチがあります(もっとも,後者は不安定な方法であり強いとはいいがたいです)。さて,これを踏まえて上記のサプライを見てみましょう。サプライに圧縮カードはなく,逆に魔女があります。その強さは基本随一で,上記サプライで魔女が使われないことはまずありません。つまり,呪いが入ったデッキになることから逃れられません。圧縮するどころかその逆をいくわけです。
さて,将来的にデッキが分厚くなることが予想されました。このとき,商人は効果を発揮してくれるでしょうか? あまり期待できませんね。過去の成功体験によるのではなく,今のサプライでどのようなゲーム展開になるかを予想して購入するカードを選択しましょう。毎回サプライが変わり,ゲーム展開が変わるのがドミニオンの醍醐味です。
ここだけ読めばいいよ
以上つらつらと具体例を出しましたが,要はその場その場で考えるのではなくて,次のターンや周回を考えればいいよというお話でした。まずは1ターン先やデッキ2周目に出る金量から考える癖をつけて,慣れてきたら使えるアクションや引ききりの可否,獲得できる枚数などを考えられるようになるとよいですね。
*1:金貨の力でデッキ3周目に衛兵を購入すればよいと思うかもしれません。それだと圧縮開始が遅く,また,初期デッキ以外のカードが多いため圧縮効率が落ち,ここで衛兵を購入するのと比べてかなり弱いです。