ステロゴリラがドミニオンするよ

ドミニオンのために開設したけど多分気が向いたときにドミニオンに限らず適当なこと垂れ流します

公領の周

概要:ステロにおける公領への意識
テーマ:ゲームプラン

 今回のネタバレ。


荒城の月

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 負けた数だけ記事書く配信Part3の記事1/4本目。

 今回は基本カードセットに入っている(画像のは入っていない)公領について。ゲーム終了効果もなければ勝利点効率も属州と比較するとよろしくない地味といえば地味なカードですが,地味ながらも勝敗につながるカードです。つい先日公領がわからないという意見を見たので何番煎じかわかりませんが書いてみました。

今公領の先の点

 公領はすべてのゲームに存在する基本的な勝利点カードですが,枯れてもゲームが終わらず,そもそもその勝利点数が属州の半分だけであり,派手にゲームに影響を与えることはそう多くありません。しかし,属州を同数で分けるなら勝つためには追加の勝利点が必要です。3山枯れでゲームが終わりそうなときにも,少ない金量でそこそこの勝利点を先に確保しておくという意味で公領は非常に大きな意味をもつでしょう。では,先に公領を獲得しておくといっても,いつ獲得するのがよいのでしょうか。今回は自分のデッキがステロ*1デッキであることを想定して,適切な公領タイミングを考えます。なお,本記事は2人戦を想定していますが,3人戦や4人戦にも同じ考え方を応用できると思います。

敵陣営の山の色

 ゲームに参加している人数に関わらず,ドミニオンにおける適切な行動は相手のデッキの様相によって変化します。現代ドミニオンにおいてはデッキタイプの境界はあいまいになっていますが,ここでは相手のデッキを「1ターンに1枚かせいぜい2枚までの獲得で,16金2購入はほぼ不可能なステロデッキ」か「多量のアクションカードを並べ,複数枚の勝利点カードを容易く獲得できるコンボデッキ」に大別します。

 相手がステロデッキの場合,属州の残り枚数が4枚程度から公領を意識したほうがよいです。というのも,俗にいう7枚目属州問題*2があるからです。互いに複数枚の勝利点カード獲得が困難であるならば,属州が残り2枚になった瞬間に勝利点先行しているほうが有利です。
 実際には属州残り4枚だから公領を購入しようという単純なものではなく,自分や相手のデッキが次のシャッフルまで何ターンかかるかや,相手のデッキパワーの見極めが重要です。
 シャッフル直前であれば,デッキパワーの落ちる公領を購入するより,最後の属州を確実に購入するために金貨や銀貨を購入したほうがよい可能性もあります(もちろんほかの要素によっていくらでも変わります)。逆にデッキの上のほうなら,ゲーム終了までもうシャッフルが入らないと判断して公領だけでなく屋敷すら購入候補になります。
 相手のデッキパワーも重要な要素です。高圧縮デッキから無理して公領を購入しているようなデッキであれば,その後の属州購入はほとんど見込めません。それならば,自分は残りの属州をかっさらうために,公領を購入するよりもアクションカードや財宝カードを足したほうがよいでしょう。公領2枚の差は属州1枚で並びますし,相手のデッキは公領が枯れてから屋敷しか購入できない貧弱デッキになっていることが予想されるので,属州を購入できる自分が圧倒的に有利になります。
 彼我のデッキパワーに見極めにはカウンティングが重要です。完全に覚えるのは難しくとも,まずは互いの金貨枚数や購入数など大きなところだけでも覚えようと意識すると強くなれます。その代わりめっちゃ疲れます。僕は普段やっていません。

 相手がコンボデッキの場合,公領は見ないほうがよいです。そもそも2人戦でステロとコンボが拮抗するということが珍しく,基本的にコンボ有利なのですが,まぁそのあたりは令和カード*3によりステロも強化されているということでどうか……。
 コンボデッキとステロデッキでは勝利点カードの受け入れ可能枚数が大きく異なります。多量にドローソースを積んだコンボデッキでは多少のノイズが入ったところで高出力を維持できますが,ステロではそうはいきません。公領で差をつけようとしても,相手のほうが多く公領を取れるだけでなく,その後に属州に届くか否かの差がつき,まず勝てません。先の高圧縮無理やり公領デッキ対冷静に出力補充ステロの構図です。しかも,移動動物園で実装された追放効果を持つアクションカードがあると,コンボ側はデッキを実質まったく汚さずに勝利点を獲得することもできます。公領で3山や泥沼ルートよりは素直に属州終了ルートのほうが勝率は高いでしょう。

いま公領の入れる周

 対ステロでは残り属州4枚くらいから公領を意識し,対コンボでは鉄の意志で属州を目指しましょう。4人戦においてステロとコンボが2-2に分かれたときも,ステロ側が片方でも公領に浮気してしまうと途端に1位率は下がります。しかし大会においては1位以外にも価値がある*4のがやらしいですね。公領に浮気すればもう一方のステロと転んだコンボには勝って2位にはならるかもしれません。難しいね。

最終形は変わらねど

 属州枯れや公領以外の3山で終わりそうなとき,とりあえず艦隊を購入しておくというのも手です。デッキを汚さずに実質公領1枚を購入したようなものです。え? 4金しか出なかった? まぁそれは公領買ってたら8金が1回減ってたかもしれないから……。
 ステロにもテクニックはあって,たとえば銀ー銀からの3ターン目6金で議事堂と金貨のどちらを購入するかという問題にもある理屈をつけることができます。その詳細はダブルボトム1/66の新刊(ゲムマオンライン頒布)『ドミガイド』で確認だ!

double-bottom.booth.pmwww.melonbooks.co.jp

*1:あまり多くのアクションカードを入れず,財宝カード主体の戦略……を指していたが最近の拡張でコンボとの境が曖昧になりつつある。

*2:相手に勝利点先行されているときに7枚目の属州を購入してしまうと,次の相手のターンに最後の属州を購入されて負けてしまう問題のこと。

*3:ドミニオンルネサンス以降の強力なカードのこと(僕が勝手にそう呼んでいるだけで非公式だし浸透していない)。絹商人とか香辛料とかによりステロが大幅に強化されたがコンボもそれだけ強化されてるんだよなぁ……。

*4:ドミニオンって本来は1位以外価値ないんだけど知ってた?